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2012年1月24日火曜日

2012年1月24日 日本語:議員定数削減は本当に必要か


 
 今年に入って、政治のニュースを見るたびに「議員定数削減」という言葉が今までにまして頻繁に出てくるようになった。議員定数削減に関して、僕は反対だ。思いつくだけでも3つ大きな問題がある。


少数精鋭を求めることが出来るか
議員を減らす、要するに「今よりも少ない議員で今より良い政治を行う」ということである。本当にそんなことが出来るのだろうか。
今回の議員定数削減には、併せて議員報酬の削減も謳われている。今の状況よりも悪くなるけど、仕事は今よりももっとちゃんとやってくださいね、というのはあまりにも虫のいい要求ではないだろうか。勿論、議員報酬の無駄な部分はあると思う。議員によって差のある支出でも、一律に支給されているものもある。それでも、ただ単に金額のみを見て削減削減と騒ぐのは国民全体の利益からは遠ざかると思う。東京から離れた地方の国会議員は交通費も相当なものになる。
議員報酬は0でもいいという人がいるが、そういうのを無視してしまうと、お金をもった人間しか議員になれないようになってしまう。そうなった場合に彼らは本当に全ての国民の為に働くのだろうか?崇高な理念を持っている人にはできるかもしれないが、そんな人がいるのであれば毎年首相が交代するようなこともないはずだ。


定数削減によって歪む「国民の意見」
今回の削減は、「小選挙区05減、比例80減」といわれるように、中身のほとんどが比例定数の削減であることだ。
死票が少なく、得票率に近い議席獲得率を得られるのは比例定数である。小選挙区は01かの結果しか出ないので、死票が出やすい。例えば、Aという法案が64で賛成する人が多いものの、その法案に賛成の候補者が2人(2人は同じ程度の支持を得ると仮定)、反対の候補者が一人出た場合には、反対する人が少なくともその選挙区の意見は「法案Aに反対」ということになってしまう。
また、少数意見を代表する議員が非常に出にくくなる。小選挙区では全国的には少数でもその地域を代表する人間は議席を得られるかもしれないが、広範な地域に分散するような少数意見を吸い出しにくい。
そのような歪んだ結果を生み出しやすい小選挙区の比率を上げることになる定数削減は国民の為にはならない。
 
大政党のお偉いさん方は本当に「身を切る」のか。
 今回の定数削減をやろうとしているのは民主党と自民党の2大政党だ。彼らは「身を切ることによって財政改革へのやる気を示す」としているが、果たしてそうだろうか。
  2政党執行部のうち、(今回の定数削減に関係ある)衆議院議員のほとんどは小選挙区選出、あるいは比例の上位で当選した議員である。つまり、彼らにとっては痛くもなんともない。キャスティングボートとかなんとかうるさい他の小政党議員やはしゃぎまわって迷惑をかけてくる面倒な自政党の若手議員が消えていなくなる程度なので、寧ろこういう方法で「自分だって痛いんですよ」というポーズをとるだけで、国民からの支持も得られて一石二鳥になる。痛いどころか痛快なのではなかろうか。
 政党交付金の額を減らすという話も進んでいないようなので、比例定数削減によっていなくなった小政党議席分が大政党に上乗せされることすら考えられる。これのどのあたりが「身を切」っているのか。


まとめ
 これらの事を考えると、やはり今回の議員定数削減は効果のない政策どころか、国民主権の政治にとっては悪い方向にしか行かない政策であると思う。国民主権の政治がいらない、というのであればそうなるのは仕方ないが、少なくとも僕は国民主権が一番マシな政治体制だと思うので、この議員定数削減には反対する。

3 件のコメント:

  1. 昆明のプチ宅男2012年1月24日 18:39:00 JST

    天下り増えて結果一緒とかシャレにならんな。政府関係の謎の法人が一気に増えそう。でも、国家規模からして日本の政治家が多いかと言われるとこれまた逆に少ないんですよね。大胆な事をいってしまうと民主主義を最大限活かす投票制度を再構築する必要があるのではと大きい事をいって逃げます。

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  2. (続き)独裁はないでしょw 小選挙区制でも自らの意見を代表する人が出ないわけではないよね? 比例代表制の院で政権・首相を選ぶってなったらその政権の政治基盤がかなり弱くなるかも。 多様な意見を受け入れすぎて、結局個々の国民からすると、こういうつもりじゃなかったのに…っていう政策が決まってしまいかねないよね。 つまり、誰にとっても望んでいなかったような折衷案としての政策がポンポン出てくる。 出てくるならいいけど、そもそも決まらないってことも有りうるかも。どうやって折り合いをつけるか、難しいんじゃないかなーという感想です。

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  3. 付け加えることのないほど、まったく同感です。

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