今年1月から4月までにとった写真をハイライトのような形で記事にしようと思ってあきらめています。最近昆明の生活リズムに慣れ過ぎてただでさえものぐさな性格が悪化しています。
さて、観光ビザ緩和や富裕層の増加で中国からの旅行客が増えているというのは最近しばしば耳にするニュースです。東京の電気店だけでなく、弘前の雪の中の土産屋や長崎の商店街でも中国のデビットカードである銀聯カードのマークを見掛けるようになりました。
中国の書店に行くと、中国国内のガイドブックと同じシリーズで日本のガイドブックも売られています。今回、と言っても昨年年末ごろですが、その中の一冊である《日本玩全攻略》(日本玩全攻略、「遊ぶ」と「完全」を掛けている)と言う本を購入しました。
まず、表紙。富士山や両津勘吉、ハローキティの頭の人間の写真に、「668個のホットなスポットを網羅!日本を遊びつくすための必携ガイド!」などと宣伝文句が書かれています。ハローキティの頭の人間はよく見ると後ろを向いています。
中身はパート1からパート10まで地域及び目的ごとに分かれています。以下の通り:
パート1 東京を遊ぶ
パート2 東京で買いもの
パート3 東京で食べる
パート4 東京周辺
パート5 京都を遊ぶ
パート6 大阪・神戸を遊ぶ
パート7 大阪・神戸で買いもの
パート8 北海道を遊ぶ
パート9 九州を遊ぶ
パート10 日本のその他のホットな場所
なんか非常にバランスが悪いような気はするのですが、外国からするとこんなものなのかな、と。
目次の次には「打开日本(日本を開く)」として簡単な日本の紹介がなされています。そのほか、新幹線、日本の6大「都市シンボル」、入国ガイド、日本で注意すべきこと、日本6泊7日ツアープランなどが掲載されています。日本の6大「都市シンボル」では桜、東京、京都、茶道、神社、温泉という何基準で選んだのかさっぱりな6つについて紹介していますが、神社の項目で、「…19世紀末期に廃仏毀釈運動の興りによって神道は外来の仏教を負かせて正式に日本の国教となった。総人口のおよそ85%を擁する…」って、書き方が今でも日本の国教になっているみたいに読めるし、そもそも日本の85%が氏子というのはあくまで神社の自己申告だし、神社しか行かない人なんてだいぶ低いからこれを以て「国教」とか言われても…
日本6泊7日ツアープランもなかなかの強硬具合です。(初日)長崎-ハウステンボス(2日目)大阪(3日目)神戸(4日目)京都(5日目)東京(6日目)富士山-箱根-横浜(7日目)北海道…これ絶対どこかで交通事情とかでプラン全体的に壊れそうな気がするのは気のせいでしょうか。
東京の紹介では明治神宮や浅草寺と並んでソフマップやら乙女ロード何かが紹介されています。乙女ロードは《少女之路》と紹介されていたので一体何なのかと思ってしまいました…集英社や小学館も紹介されていて「漫画ファンの聖地」とか書かれているんですが、出版社って何か展示しているんでしょうか…注目すべきは「日テレタワー」と紹介されているところ。写真がどこからどう見ても東京タワーなのですが、東京には似たようなタワーが2つもあるのでしょうか…
パート9の九州では45個の観光地が紹介されているのですが、そのうち34個が長崎。長崎を紹介してもらえるのは長崎人として嬉しいのですが、あまりにもバランスを欠いているのではないかと。沖縄は県全体で1個の観光地扱い…長崎の項目で気になるのは、まず《送灵节》として紹介されている精霊流し。「長崎駅から徒歩10分」は多分県庁坂に歩かせようとしているのでしょうが、これでたどり着くのでしょうか…?そしてここに記されている電話番号は一体…次に《和平公园》と書いてある平和公園。平和公園全体に入場料がかかるみたい読めてしまう。《伊王岛》入場料650円…ってそれは船賃ではないでしょうか…しかも片道分。
パート10のその他に入れられてしまったところにも気になるものが…《青森睡魔祭》ってねぶたの事か…調べたら語源とされるものの一つとして「眠たし」があるのであながち間違いではないのでしょうが…本当にこれでいいのか…?